夕刊フジ連載「男・美肌塾」

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シミ

シミ 老化とともに紫外線のダメージ受け
男性向けエステサロンの登場や、高齢社会におけるアンチエイジングの重要性が認識されるようになり、私のクリニックにもさまざまな患者さんが相談に来ます。なかでも増加しているのが、老化によるシミを取りたいという要請。
以前は皮膚がんを心配して来院するケースはありましたが、現在は純粋な美容目的での受診が増えているんです。それだけ男性も「見た目」を気にするようになってきた、つまりオシャレなお父さんが増えてきたということでしょう。
これは女性から見ても好ましいこと。
もっともっとオシャレをして、世の中にカッコイイ男性が増えてくれるとうれしいんですけどね。
普段お化粧をしない男性は日焼け止めをしていないため、女性に比べて紫外線のダメージが大きいんです。長年にわたって紫外線を直接浴び続けた肌は、皮膚の細胞内にメラニン色素が沈着します。
その結果「老人性色素斑」(いわゆる「シミ」)が年とともにできていくことになるのです。
シミは、顔全体はもちろんですが、手の甲や腕、胸、背中にもできます。そして年齢とともに増え続けるだけでなく、次第に色も濃くなっていくのです。
特に顔の場合は、そこにシワも加わって「老け顔」をつくりあげていきます。
シミを除去する場合は、美容的側面もさることながら、まずはがんの危険性が潜んでいないかをチェックすることが大切です。本人はシミだと思っていても、じつは皮膚がんだったというケースもあるんです。そう考えると、たかがシミくらい とばかにできないことがおわかりいただけるでしょう。
次回は具体的なシミ取り治療の内容を解説していきます。
入浴時のお肌のお手入れ (上)
日本では、昔から乾布摩擦や冷水摩擦で健康の維持・増進を図ってきたこともあり、お風呂でも必要以上に肌をゴシゴシ擦る傾向があります。そのため入浴グッズ売り場では、ナイロン製の垢すりタオルが花盛りです。
 でも、刺激の強い擦り洗いはお肌のトラブルの元。気付かぬうちに色素沈着を起こしている人も実は少なくないんです。
入浴時、肌の擦りすぎで起きる色素沈着は、肌表面の「皮丘」という膨らんだ部分にできるもので、毛穴などのようにへこんだ部分には起きません。なので色素沈着した個所をよく見ると、”網の目状”になっているのがわかるはずです。
皮膚を擦ると、刺激されたメラノサイトという細胞がメラニン色素を大量に作ってしまうのです。さらに刺激が加わると、メラニン色素が真皮に達して、入れ墨のような状態になることもあります。
摩擦で、壊れた表皮がある種のタンパク質に変性して真皮に落ち込むと、これを異物と認識した体が炎症反応を起こして、かゆみを起こすことも。
 このように、飢の擦りすぎから起きる色素沈着はメカニズムがさまざまで、それにより生まれるシミはとても治りにくいのです。
 これまでヤスリのようにトゲトゲした垢すりタオルでお肌をゴシゴシ擦っていたお父さんには、今さら柔らかいタオルなんて使えないといわれるかもしれません。でも、ここが美肌への登竜門なので、ぜひ次回「入浴時のお肌の手入れ(下)」を実践してみてください!
入浴時の美肌術 (下)
前回は、入浴時にナイロン製の垢すりタオルやたわしなどで、力まかせに肌を擦ると色素沈着を起こす危険性があることを書きました。
 でも、中には「じゃあ風呂に入っても洗わないでいいのか!」と反論される人もいるでしょう。確かに、体を洗うのにゴシゴシ擦らなければお風呂に入った気がしないという人は多いと思います。でもじつはこれ、単なる「慣れ」なんですよ。
 赤ちゃんの頃から垢すりタオルで肌を擦るお母さんはいませんよね、最初は柔らかいタオルで肌を洗っていたんです。ところが成長していくうちに、硬い素材のもので肌を擦るようになり、いつしかそうした刺激がないと物足りないような気分になっていくんです。
 肌に付いた汚れは、そんなに強い刺激がなくても洗い流すことができます。柔らかいタオルや、シルク、コットンなどの柔らかいもので洗ってください。もちろん、手に石鹸をよく泡立てて肌を擦るだけでも十分に汚れは落ちます。
 なお、もし擦りすぎによる炎症から色素沈着を起こしてしまった場合は、塗り薬で治療することになります。背中などにシミができると、その部分だけにピンポイントで薬を塗るのが難しいので、結果として治りが遅くなりがち。
 やっぱり、日頃から注意するほうが得策のようですね。
日焼け (上)
 夏本番のこの時期、小麦色に日焼けした若い女性を見て、「若いっていいな!」なんて思っているお父さんはいませんか?
 たしかに日焼けした肌には健康的なイメージがありますね。でも、じつはこの日焼け、医学的には「日光皮膚炎」といって、「やけど」の一種として分類される皮膚の疾患。紫外線による強烈な刺激を受けたことで皮膚が大きな損傷を負っている状態で、決して健康的なことではないんですよ。
 健康的と思ってもじつは、やけど・・・
 日本では、肌が赤くなっても黒くなっても「日焼け」といいますが、英語では赤く炎症を起こしている状態のことを「サンバーン」、数日経って色素が沈着し、黒く落ち着いた状態を「サンターン」と呼び区別しています。
サンバーンは日光を浴びた4~5時間後から皮膚が赤くなり始め、24時間後あたりで最も症状が強くなります。このときに少し腫れたような感じになり、炎症が強いと水ぶくれになってしまうのです。
 紫外線が皮膚の細胞遺伝子を傷つけ、それが治らないまま残ると、炎症細胞が作られてサンバーンが起こる、つまりサンバーンがひどいほど、DNAのキズも多いということになるのです。
 強烈な日焼けで遺伝子に大量のキズができると、修復が間に合わなくなり突然変異を招いて、シミや皮膚がんの発生につながっていくのです。
 次回はそんな恐ろしい日焼けについて、もう少し詳しく勉強しましょう。
日焼け (中) がんの下地を作る紫外線
日焼けは医学的には皮膚の疾患であって、シミや皮膚がんの原因にさえなる危険な状態です。
 日焼けを作り出す紫外線は、一方で健康維持の根幹ともいえる免疫機能さえも低下させる悪者。細菌やウイルス、アレルギ一物質などの外敵から身を守るために作用するこの免疫機能が、紫外線によってダメージを受けるわけですから、さまざまな病気にかかりやすくなるし、病気にまでは行かなくても、体調を崩しやすくなります。
 昔は「日光浴が体に抵抗力をつける」と考えられていましたが、それは完全な間違いだったわけで、以前は母子手帳に記載されていた日光浴を奨励する一文も削除されました。
 そもそも、日本人には紫外線を甘く見る風潮があるようです。「日本人は白人と違って皮膚がんになりにくい」と思い込んでいる人も多いようですが、決してばかにはできないのです。
 確かに、肌の質で見ると日本人の肌は皮膚がんにはなりにくいタイプということができます。しかし近年、日本人の寿命が長くなるに従って、なりにくかったはずの皮膚がんを発症する割合が高まってきているのです。その元凶は、やはり紫外線。高齢化により長期間にわたって紫外線にさらされ続けてきた肌は、それだけがんになる下地を醸成し続けているということになるのです。
 次回は具体的な日焼け対策についてお話しします。
日焼け (下) まず冷却 無理にはがさない
日本人が白人より皮膚がんになりにくいのは、白人の皮膚にメラニン色素が少ないから。
 メラニン色素はシミの素となる半面、皮膚の細抱を紫外線から守る役割も担っているんです。でも近年は日本人も寿命が延びたことで、皮虜がんの発生率は上昇しています。
 結局のところ、日頃の日焼け対策が重要。日焼け止めで紫外線から肌を守ることは、想像以上に大切なことなのです。
 それでも日焼けしてしまったら、まず冷却。氷や冷水で冷やし、痛みが続くときは抗酸化作用のあるオリープ油か大豆油を塗ります。炎症が強くて赤みや水ぶくれができたら、すぐに皮膚科を受診してください。
 炎症が強いと、痛みが引いて3、4日で皮がむけ始めますが、無理にむくと生きた細胞まではがれてしまうので、自然に落ちるのを待ちます。取れかかって気になるときは、はがれて浮いた部分をハサミで切ってください。
 でも、そうなる前に、まずは日焼け止めをしっかり塗ることが先決。
 私の知り合いのある男性は、昨年海外のビーチで日焼け止めを適当に塗って泳いだところ、まだら模様に日焼けしてしまったとか。牛の模様のような日焼け痕は、1年経った今もうっすらと残っているそうです。くれぐれも日焼け止めは丁寧に、ムラなく塗るようにしてくださいね!
自分の肌に合ったひげそりをしてますか
毎朝のひげそりを軽く見てはいませんか?長い目で見ると、ひげが生える部分の肌の状態のよしあしは、ひげそりの仕方で大きく左右されるんです。ひげそり方法を間違えると、肌を傷つけて雑菌が入り込み、尋常性毛瘡というひどいニキビのような状態を引き起こします。
 この時に悪さをするのが「表皮ブドウ球菌」という雑菌。普通のニキビ菌より炎症が強く、広がりやすい性質です。炎症部分をさらにそれば、炎症は悪化するばかり。こうなると、たとえ炎症が引いても、残った肌はシミだらけ・・・。
 ひげそりは、刃に付いた雑菌の繁殖を防ぐためにも、水洗いできるものを選び、プレシェーピング剤を使って刃の滑りを良くしましょう。
 シェービング剤代わりにせっけんを使うと汚れと一緒に肌の皮脂膜も洗い落とす上 に、肌全体がアルカリ性に傾いて傷つきやすくなってしまうので、NGです。
 ひげそりのポイントは、「柔らかくしてそる」ことなので、おふろ上がりや蒸しタオルで蒸らしてからがベストです。
 剛毛、ひげの伸びるスピードが速い、ひげそり負けをするなど、ひげがコンプレックスになっている人には「ひげ脱毛」という手があります。
 レーザーによる脱毛で、治療回数は人によって4~30回と幅があります。回数が少なく済むのは、色白、日焼けすると赤くなる、ひげの色が黒くてまばらなタイプの人。
エステサロンでもやっていますが、肌の治療が可能な医療機関であれば強めの照射が可能なので、より高い効果が得られます。安全で早く脱毛するのであれば、医療機関での脱毛をオススメします。
カミソリ負け (上) 原因は「深剃り」「逆剃り」
ひげを剃った後のあごや、頬を真っ赤にしている男性を見かけることがあります。この「カミソリ負け」とは、ひげを剃ったあとの毛穴が化膿した状態をいいます。
 じつはこの症状、とても治りが悪いんです。というのも、口の周りは食べ物などが触れることが多い上に、つねに鼻息がかかるので高温多湿となり、雑菌の温床になりやすいんです。
 原因は、「深剃り」や「逆剃り」。ひげの断面が皮膚の表面よりも深い部分で鋭利に尖った状態になり、その尖ったひげが、伸びてきたときに皮膚を刺激して炎症をおこすのです。
 それでもひげは毎日剃るので、炎症も長引きます。すると患部には痕が残りやすくなり、シミができたり、赤みがついたり・・・。
 また毛穴の奥まで炎症が及ぶと、毛穴が壊れて「粉瘤(ふんりゅう)」という袋状の腫壌になってしまうこともあります。こうなると、手術的に切除するしかありません。
 炎症を繰り返していると皮膚の角質が厚くくなり、ひげが皮膚の表面から出ずに、内部で渦巻き状になってしまうことも。こうなると、毛抜きで一本一本をほじくり出して抜いていくしか手はありません。そこで次回は、安全で皮膚にやさしいひげ剃りについて解説していきます。
カミソリ負け (下) クリーム、ジェルは必需品
ひげ剃りの時、「逆剃り」をしている人は多いと思います。剃りあとはスベスベしますが、肌の健康を考えると避けるべきです。
 「深剃り」が自慢の電気シェーバーも同様で、これを毎朝使うということは、皮膚をカミソリで研磨しているのと同じこと。ひげを濃くするだけでなく、皮膚を硬くしてしまいます。
 口の周りは雑菌が多いので、カミソリもシェーバーも小まめに洗いましょう。切れの悪くなった刃も、肝心のひげが剃れないばかりか、肌を傷つけることになるので、ケチらず定期的に交換しましょうね!
 シェービングクリームやジェルは必需品。これは刃の刺激から肌を守る上でとても重要です。中には石鹸の泡で代用している人もいますが、石鹸は汚れと一緒に肌を守る皮脂膜も落としてしまいます。加えてアルカリ性にして菌が繁殖しやすく、しかも刺激に弱い肌にしてしまうのです。
 髭剃り後は、アフターシェープローションか保湿剤で肌を保護しましょう。
 剃る部分をホットタオルで温めておくのもポイント。髭が柔らかく立つので、剃りやすくなります。
面倒がらず、シェーピングクリームを泡立てる器具にこだわったりして、欧米人のようにひげそりを楽しむ姿勢が大切です。ちょっと髭剃りへの意識を変えるだけで、肌の健康も保たれるものですよ!
肌を傷めないひげそり法
肌をやわらかくするとスムーズにそれる

 男性の多くは、毎日ひげをそっていますが、自己流で肌を傷めている人もいます。たとえば、ひげが濃い人の中には、朝と夜そる人もいますが、ひげをそるときには皮膚の一部も削り取っているので、1日2回だと肌には負担になります。また、夜入浴しながらそると肌がやわらかくなり、スムーズにそれるので夜にそる人も多いようですが、ひげは1日0.2~0.4mm程度伸び、6~10時が一番伸びやすい時間帯です。朝そったほうが1日のもちはよくなります。肌やひげをやわらかくすれば、朝でもスムーズにそれます。
 このほかにも、カミソリ負けで肌荒れをおこしている人も少なくありません。カミソリや電気シェーバーの切れ味が悪いと、刃を強く押しつけてしまい、肌に細かい傷をつけてしまいます。こ こから雑菌が入ると炎症をおこしてしまうのです。
 刃の交換はこまめにし、使用後は汚れを落として常に清潔なものを使ってください。軽い炎症は保湿するとよくなりますが、炎症がひどい場合は皮膚科で診てもらいましょう。

 剃る部分をホットタオルで温めておくのもポイント。髭が柔らかく立つので、剃りやすくなります。
肌を傷めないためには
  • ① 肌を温めてやわらかく

      洗顔後の清潔な肌に、蒸しタオル(ぬらしたタオルを電子レンジで温めたもの)をのせ、しばらく温める。肌とひげがやわらかくなるとひげをそりやすくなる。
  • ② すべりをよくする

      カミツリでそる場合はシェービングフォーム、電気シェーバーの場合はプレシェーブローションをつける。どちらもすべりをよくし、ひげをやわらかくする効果があり、肌に余計な負担をかけずにすむ。
  • ③ 毛の流れに逆らわずにそる

      ほおやもみあげなど、凹凸の少ない部分からそり、□の周りやあごは十分にひげをやわらかくしてからそる。毛の流れに逆らって逆ぞりすると深ぞりできるが、肌に傷がつくので、毛の流れに逆らわずにそる。
  • ④ 保湿する

      カミソリ負けを防ぐためにも、そり終わったらぬるま湯でよくすすぎ、アフターシェーブローションをつける。乾燥肌の人は、化粧水や乳液などを重ねてつけるとよい。
  • 肌が弱い人は

    カミソリでそる人の中には、せっけんを泡立ててシェービングフォーム代わりにしている人もいるが、せっけんは皮脂膜も落とす。肌が弱い人などは肌荒れの原因になるので注意。

※ワンポイントアドバイス
 ひげが伸びやすい環境
 ひげの伸び方には個人差がありますが、運動不足や栄養不足でもひげが伸びやすいというデータがあります。夕方になると以前よりひげが目立つようになったという人は、バランスのよい食事と適度な運動を心がけてはいかがでしょう。

美肌

モテ顔に必須のスキンケアも「洗いすぎ」は逆効果ヨ
「スキンケアなんて女のすること」と思い込んでいませんか?確かに美容的なイメージはあるかもしれませんが、スキンケアの本来の目的は、肌が外部から刺激を受けて荒らされるのを防ぐこと。れっきとした「病気予防」なんです。
女性のようにお化粧をしない男の人でも、皮膚の表面には目に見えないホコリや皮脂、汗などがあり、これらが混ざって汚れた皮脂膜を作り出し、肌に攻撃をかけてきます。加えて、過剰な皮脂の蓄積は毛穴を詰まらせ、ニキビや黒ずみなどを引き起こすのです。
スキンケアの鉄則は「その日の汚れはその日のうち」。なぜなら、汚れた皮脂膜は数時間で酸化して、肌への攻撃力を一層強めてしまうからです。
ケアのポイントは洗顔。特に「Tゾーン」は、低刺激せっけんでは十分に脂が取れないこともあるので、脂が残るようなら2度洗いをしましょう。ただし、1日に5回も6回も洗顔剤で顔を洗うのはNG。表面の脂だけでなく肌の内部の天然保湿因子まで洗い流してしまうのです。これが再生するには時聞がかかります。だから何度も繰り返しで洗顔すると、逆に肌の水分が蒸発して乾いて荒れた肌になってしまうどころか、常に脂が落ちていることに体のほうが反応して、余計に脂を作り出してさらなる脂肌になる危険性さえあ るんですよ
汚れた皮脂膜を洗い流したあとは、保湿剤を塗って刺激から肌を守ってあげましょう。初めは面倒かもしれませんが、試しに2週間続けてみてください。歯磨きと同じで、習慣になってしまえば面倒でもなくなるものです。
決してスキンケアは女性だけのものではありません。イケてるモテ顔になりたいのなら、正しい洗顔とスキンケアの知識を持つことから始めましょう!

アレルギー

かぶれ(上)皮膚を守る防衛反応
洗剤や整髪料を使ったり、金属に触れたりして起きる「かぶれ」。じつはこれからの汗ばむ季節にできやすいって知ってました?
かゆくなったりカサカサしたり、時には赤くなったりと症状はさまざまですが、人によっては水ぶくれができることもあるんです。
かぶれの原因は、人によって違いますが、生まれつきではありません。肌に触れているものが、何かの拍子に皮膚の中に入ってしまい、体がその物質を「敵」と判断してしまったときに、抗体が作られます。そして、その次にまた同じ物質が皮膚に入ってくると、体は敵を排除しようとしてアレルギー反応を起こし、「かぶれ」という症状になるのです。
通常、こうした物質が皮膚の中に入るのは、肌の表面に自に見えない小さなキズがある時や、アレルギー体質などで肌の防御機能が低下しているとき。でも、それだけではなく、じつは汗をかくと、物質が皮膚の内側に入りやすくなるんです。これが夏場にかぶれやすくなる理由。
女性は化粧品やアクセサリーの金属などが原因になることが多いのですが、男性はベルトのバックルやポケットのコインなどが原因物質になることも。もちろんメガネのフレームや腕時計も注意が必要です。
いずれにしても、これから夏にかけては、1年中で最も危険な時期です。特にお肌の弱い方は、お気を付けください!

次回は夏場のかぶれ予防法をお話ししましょう。
かぶれ(下)症状が出たら早めに皮膚科へ
前回も書きましたが、これから夏にかけては「かぶれ」がおきやすい季節です。
かぶれの原因になるのは、何も硬い金属ばかりではありません。じつは見た目は柔らかい皮革製品のなかにも金属が含まれていることも。たとえばゴルフの手袋や車のハンドル、カバンの持ち手などは要注意。手に汗をかくことで、危険度は倍増します。
それから、雨の日に皮靴を履いてかぶれる人がいます。湿気で足の皮膚が弱くなるんですね。
男性用の理容製品でかぶれる人もいます。シェービングクリームや整髪料、養 毛剤、毛染めやヘアスプレーなどなど、挙げ出したらキリがありません。
かぶれの症状が出たら、放置しないで早めに皮膚科の診察を受けましょう。
残念ながら、一度がぶれてしまったら、その原因物質に対してかぶれないようにする治療はいまのところありません。だから、その原因物質をつくらないことを心がけるべきなのです。
特にこれからの時期は、日頃肌に触れている物質が、汗の力を借りて皮膚の中に侵入しやすくなる季節。金属類はできるだけ肌につけないようにするのと同時に、アクセサリーや整髪料が触れるところは、小まめに汗を拭いて清潔を心がけるようにしてくださいね!

巻き爪・その他

巻き爪 深爪や合わない靴が原因
今回は「足」にまつわるお話です。足は骨だけでなく、皮膚にトラプルを抱えても、歩くときに本人は気付かないうちにバランスを崩し、腰や背骨、首の骨や筋肉にも負担がかかります。血流やリンパの流れにも支障が出るので疲れやすくなり、頭痛などの原因になることもあります。
爪が皮膚に食い込んでくる状態を「巻き爪」(医学的には「陥入爪」)といいます。主に足の親指の爪におきることが多く、食い込んだ部分に痛覚神経があると、かなり痛みます。爪の食い込み方によっては、そこに雑菌が繁殖することもあり、こうなると歩くことも困難になるほどの激痛が・・・。
深爪やサイズの合わない靴が原因となるので要注意です。つま先にゆとりのある靴を選び爪は「アーチ状」ではなく「直線的」に切りましょう。
巻き爪の治療というと痛そうなイメージがあるかもしれませんが、今はそんなことはありません。ワイヤで爪の形を矯正したり、特殊な薬で爪の一部を腐蝕させて正しい形に整えていく方法がとられます。
いずれも治療後は普通に歩いて帰れるし、翌日にはシャワーも可能。無理に我慢をして頭痛や腰痛を呼び込む前に、皮膚科を受診して問題を解決したほうが得策ですよ!
来週は同じ「足の皮膚」のトラブルのタコとウオノメについて解説します。
タコ&ウオノメ じつは感染症の場合も
先週の「巻き爪」に引き続き、足の皮膚疾患のお話です。今回のテーマはタコとウオノメ。これも立派な病気で、タコは「胼胝」、ウオノメは「鶏眼」という学術的な病名も付いているんです。でも、タコとウオノメの違いって、皆さんはご存知ですか?
どちらも巻き爪と同じように、合わない靴を履いていたり、歩くときの姿勢が悪いとできるという点は同じです。
足の裏に限らず、人間の皮膚は常に刺激が加えられていると、その部分の細胞分裂が活発になり、皮膚の一番外側の角質細胞が厚く、硬くなっていきます。
その「厚み」が外側に向かって盛り上がっていくと「タコ」、逆に下に(骨のほうに)向かって厚くなっていくのが「ウオノメ」です。
タコは、皮膚が硬くなる以外は押すと痛むことがある程度ですが、ウオノメは内側に向かって厚みを増していくとき、その先端がくさび状に尖っていき、神経を刺激し強烈な痛みを伴うことがあります。そのため、ウオノメの治療は少々難しくなります。市販のウオノメパッドなどを使えば、応急処置としての痛み止め対策にはなりますが、芯までしっかり取るためには、医療機関で処置をしてもらわなければ危険です。特にウオノメは、ウイルス感染によってできる病変と見た自がとても似ています。ウオノメだと思っていたらじつは感染症だったということにならないように、早めに皮膚科医に診てもらうことをお勧めします。
「おへそ」だって清潔に!!
今回は、体の真ん中にありながら、普段あまり構ってもらうことのない部分にスポットを当ててみます。それは「おへそ」。
おへそを解剖学的に見ると、中心部の臍乳頭と、その周囲の臍輪からできています。
臍乳頭は生後間もなく臍帯が脱落した後の瘢痕組織なので、皮脂や汗を分泌しませんが、臍輪は体の他の部分と同じ皮膚からできているので分泌能力があります。そのため、おへその中には皮脂や汗の分泌物や角質細胞、さらには外から入ってくるごみがたまっていくのです。これがいわゆる「へそのごま」です。
このゴマ、水分が飛んで硬くなると「臍石」と呼び方が変わります。女性や肥満の人などは皮下脂肪が厚く臍輪が深いしわを形成するのでへそのゴマがたまりやすく、臍石もできやすくなります。
よく「へそのゴマを取るとお腹がいたくなる」と言われますね。これはあながち迷信とも言えません。というのも、おへそは他の部分と違って下に筋肉がありません。おへその奥はそのまま腹膜に続いているんです。だからゴマを取ろうとして無理におへその奥をいじりすぎると、腹膜が刺激されて痛みだすのです。
おへその中に汚れた指を入れたりすると小さな傷から感染、化膿して急性臍炎の危険性があります。おへその付近には太い静脈やリンパ管が走っているので感染が拡大しやすく、炎症が腹膜にまで及ぶと腹膜炎となって手術になることも。
無理にゴマを取る必要はありませんが、清潔にはすべき。とはいえ、むやみにひっかき回すのは厳禁。綿棒に染み込ませたオリーブ油などをやさしく塗りこみゴマが柔らかくなったところでふき取ってください。間違っても耳かきでひっかき回したりしたらダメですよ!。

点滴・注射

「ニンニク注射」でスマートに疲労回復
栄養補給というと、食事で摂取するのが一般的ですが、医療機関ではさらにダイレクトなアプローチで必要な栄養素を体内に送り込むことができます。そう、「注射」や「点滴」です。
食事やサプリメントを利用する場合は、その有効成分が胃や腸から吸収されて、さらに血液に取り込まれることで全身に巡っていくことになります。でも、これらの成分が、本当に必要な個所に届くのは摂取量のごく一部。大半は別の部位に流れていったり、せっかく摂取したのに排出されたりして、無駄になっているものも多いんです。
肥満解消やメタボ対策にも
そこで、注射や点滴で、ダイレクトに血中に送り込んでしまおうというのが医学的な考え方。使った量のほぼ100%が有効活用されるので、効果も高くムダもありません。
私のクリニックでサラリーマンの患者さんに人気なのが「ニンニク注射」。オリックスの清原和博選手も利用していることで、ご存じの方も多いと思います。
ニオイ気にせず効果抜群
効果は疲労回復や肌荒れの改善、シミの予防といったものから、最近では脂肪を燃焼させる働きに注目が集まり、肥満解消やメタボリツクシンドローム対策としてニンニク注射を希望する人も増えています。ニンニクを食べて疲れを取るためには、かなりの量を食べる必要があり、当然それなりの「ニオイ」も覚悟しなければなりません。この問題をスマートにクリアするには、注射で一気に片をつけるという考え方もアリなのでは?
疲れが貯まる年末に向けて、こんな方法もあるということをぜひ覚えておいてくださいね。
アンチエイジングドック(上)
老化進行させる危険因子を検査
「予防医学」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?人間ドックを思い浮かべる人も多いはず。がんなどの重大な病気は早朝発見が第一で、そのためにも人間ドックはとても重要です。
でも、そうした総合的なドックの他に、最近では色々な専門ドックが登場しています。脳ドックや心臓ドック、中には骨ドックなんていうのもあります。そんな中で最近よく目にするものに「アンチエイジングドック」という専門ドックがあります。じつはこれこそが、「積極的な予防医学」の取り組みなのです。
人間ドックでは「おおむね良好」の診断が下りた人でも、本当に元気な人もいれば、反対にどことなく体調に不良を感じている人もいます。病気ではなくても、年齢的な問題から、体に何らかの影響が出てくることは避けられません。しかし、それを「歳のせい」とあきらめて放置してしまうと、そこから老化が進んで病気に進展してしまうことになるのです。
アンチエイジングドックとは、その人が老化を進行させる危険因子をどの程度持っているかを検査するもの。なので、必ずしも人間ドックの結果とはイコールにならないのです。
人間ドックでは健康のお墨付きをもらった人でも、アンチエイジングドックでは「要注意」となる人も珍しくありません。
そこで次回は、このアンチエイジングドックと予防医学について、詳しく紹介していきます。
アンチエイジングドック(下)
検査結果に応じた治療法を準備
前回お話しした「アンチエイジングドック」という専門ドックは、その人が老 化を進行させる、言い換えれば病気を発症させる危険因子をどれだけ持っているかを検査するもの。人間ドックでは「問題なし」と診断された人でも、アンチエイジングドックで老化促進の危険因子がたくさん見つかるというケースは珍しくありません。
この手の人は、現段階では病気がなくても、近い将来さまざまな病気があらわ れる危険性が高いと言えます。アンチエイジングドックは、そうした「目の前に迫った危険」を事前に察知し、生活習慣の見直しなどによってリスクを下げることを目的としたドックなのです。
具体的なメニューは医療機関によって違いますが、おおむね以下のような感じ です。
まず、体組成によるボディーバランス検査といって、脂肪や筋肉量、水分バランス、基礎代謝量、肥満度などを調べる検査。次にがんや老化の元凶とされる活性酸素量の検査、そして血液のドロドロ具合を見たり、遺伝子検査による「その人が将来かかりやすい病気」の検査なども行われます。他にも毛髪有害重金属検査といって、知らないうちに体内に蓄積されている有害重金属の種類と量を、髪の毛から調べる検査などもあります
いずれも、検査結果に応じた治療法が準備されているので、怖がらず、気軽に受けてみてはいかがでしょう。